Douglas Engelbart
エンゲルバートはコンピュータが単なる数値を処理する機械と見なされていたころに、対話型コンピュータを活用して集団的知性の利用を実現することをライフワークと捉えていたのである。
レーダー技師としての経験から、情報を分析してスクリーンに表示できることを知っていた。彼は、知的労働者たちがディスプレイの前に座り、情報の空間を飛び回り、より強力な方法で重要な問題を解決する集合的知性のような能力を利用できると考えた。
エンゲルバート博士がマウスを思いついたのは、1961年で、この論文が世に出る1年前のことだとされている。彼は、このデバイスの絵をノートに記した。そして、1963年、NASAが画面選択デバイスを何にするかを決めるプロジェクトに資金を提供するという発表に応え、そのノートを取り出し、研究所のエンジニアの1人、ビル・イングリッシュ(ウィリアム・K・イングリッシュ)に手渡す。そして、イングリッシュ氏は世界で初めてマウスを作った人となるのだった。
https://youtu.be/B6rKUf9DWRI
1968年のGUIのデモ
テキストの削除
過去にやったことの1つにハイパーリンクがあります。本全体ではなく、特定の文章に注目したのです。すべてのオブジェクトはアドレスを持っていて、それに対してリンクを張っていくことができるという考え方です。オブジェクトは異なるビュー(視点)を持つことができ、コンピュータは、あるビューを指定するとパラグラフ内のその部分だけを表示したり、特定のセンテンスについてだけを表示します。たとえば、1行目だけを表示するように指示すれば、それはトピックセンテンス(段落の内容を表わした1文)だけのビューとなります。これがアウトラインですね。こうして文章の階層構造が視覚化できるのです。
8歳の娘がヘアブラシをとってくるように母親に命じられたときに、母親は寝室の引き出しの何段目にあるということを伝えます。それがアドレッシングです。人間は当たり前のようにそういうことをやっています。つまり、経路を提供するんですね。これは、とてもフレキシブルなアドレッシングのやり方です。そして、それは、そのまま画面上のオブジェクトを指し示すだけで、いろんなところにやっていける環境に当てはめることができます